「老後のこと考えたことありますか?」

「老後のこと考えたことありますか?」
 昨年の年末から体の不自由なご年輩の方のお世話をさせていただいていましたが、その体験からとてもたくさんのことを学び、また現在介護が必要な老人やご家族の方の抱えている問題について考えさせられました。

 老後のことというのは今まで全く考えたことがなかったのですが、考えてみればほとんどの人が通らなければいけない道で、いつかは直面する問題なのです。私は30代なのでまだ少し先のことですが、祖父母や両親などのことがあるので他人事ではありません。

 統計的に見て、65歳以上の人口割合が総人口の7%を超えると高齢化現象が始まり、14%になると高齢化社会と言われています。福祉が充実していると言われる北欧のスウェーデンでは、7%から14%になる期間が85年かかっています。日本では他の国に類のないスピードで高齢化が進み、その期間はわずか25年しかかかっていません。この期間は日本が高齢化社会に対応するために学習し環境を調えなければいけない期間でもあるのです。しかし、欧米に比べ子供が親の面倒を見るという考えが一般的な日本では、施設や制度だけの問題ではなく、社会福祉という発想自体に遅れがあるような気がします。
 

 欧米では個人主義が発達していることもあり、自
分の老後を自分で設計し、家族だけに頼るのではなく、社会に助けられながら自立した老後を送るということが当たり前のことになっています。老後は子供と一緒に暮らすことが幸せ、という考え方が悪いとか良いという問題ではなく、現実に老後子供と別々に暮らす老人が増えています。また、平均出産人口が1.5人ということは一人っ子同士が結婚して、どちらかの親の面倒を見たとしても、片方の親の面倒は見れないことになります。日本でもすでに自分の老後を子供に頼るという時代ではなくなっているようです。
 

 老後のことで心配なことは行政の福祉サービスなどのこともありますが、自分が仕事などから離れたときに、どんな楽しみや、生甲斐を見つけられるかということもあると思います。現代のような生産性や効率を第一に考える社会では、その人が働けるかどうかとは別に、定年になれば仕事から離れることになります。仕事をやりながら自分なりの趣味や生甲斐になることを見つけてやってきた方はいいのですが、仕事一筋、外のことは何も知らないというような方は、仕事から離れると軽いうつ状態になる方
が多く見られます。

 宮沢賢治も人間にとっていちばん悲しいことは、やる仕事のないことですと言っています。この場合の仕事とは収入を得るための仕事というだけでなく、自分のやったことが何かの役に立っているという貢献感のようなものだと思います。老人介護や痴呆の問題を考えるときに、これからもっと考えなければいけないことは施設の立派さとか、医療的なケアーだけでなく生甲斐づくりではないでしょうか。

 仕事や家事から手が離れて自由な時間が多くなる老後だからこそ出来ることはたくさんあると思います。若いころにはできなかった、じっくり腰を据えてやるようなこともできるのではないでしょうか。
 

 このようなことを考えていると、現在構想中の第2のフォルスに新たなアイディアが湧いてきました。まだ自分の頭の中で考えていることで、実現できるのかどうかわからないのですが、皆さまのご意見を伺いたいという思いからお伝えします。

 新しく計画しているフォルスは現在の施設よりも、心と体を癒す場所、健康管理や予防医学をおこなう場所としてのカラーを強調していきたいと考えています。どちらかと言えば普段忙しく働いていて

健康管理がおろそかになっている方や、病気の予防や治療をしたいと考えている方に向けたプログラム作りを考えていきたいと思っています。
 

 そんな施設の一角に老人の介護用のお部屋を4室くらい作れればと考えているのです。お部屋は8畳の個室でその人の専用の部屋になります。お部屋の他に自炊も出来るような共同の台所があり、段差のない広いトイレと体の不自由な方でも使いやすいお風呂があり、廊下で母屋につながっており、食事はみんなと一緒に食堂で食べるようにします。治療は希望すれば毎日でも受けられ、体の不自由な方には段階に応じた介護サービスが受けられます。買い物や病院は週1回、車で連れていきます。

 生き甲斐作りのために、元気な方には近くに畑を借りて無農薬有機栽培の野菜を作ったり、鶏を飼ったりしてもらいます。作った野菜や卵はフォルスが買い取って料理に使います。また、花を栽培してもらいフォスルで買い取り館内に飾ったり、販売したりします。

 自分が丹精込めて作った野菜や花が美味しいとかきれいとかゲストのみんなに言われたり、それがみんなの健康作りに役立っていると思えば、きっとやりがいになります。自分が誰かの役に立っている、自分の存在が必要とされているという実感は毎日を生き生きしたものにし、若々しさを保つことにもつながってきます。

 また、精神的な充実感は体の健康を保つ上で、とても大切なことで、病気や痴呆の予防にも効果があります。実際、近頃老人ホームや病気のリハビリに園芸療法(ガーデニングセラピー)を取り入れ効果を上げている施設があります。ただ作るだけではなく、自分で食べて、また人にも食べてもらって喜んでもらうことが出来たらもっと効果が上がると思います。

 自分たちが食べるものを自分たちの手で作り、収穫し、食べるという現代の生活ではとても贅沢になってしまったことをできるのもリタイヤしたらからだと思います。自然の中で季節の移り変わりを感じながら暮らす自給自足のエコロジカルな生活は、本当に大切なものは何かということを気づかせてくれるに違いありません。
 

 老人だけが集まって、人から介護されて受け身の立場で暮らすのではなく、もっと積極的に新しい楽しみ、生き甲斐を見つけ、人に喜んでもらえる。そんなことが出来るような施設になったら素晴らしいと思います。とりあえずご年輩の入居希望者が2~3名いれば始めてみたいなと考えています。

 もし周りに関心のある方がいらっしゃいましたらご紹介いただければ有り難いです。もう少し詳しい資料もございますのでご請求下さればお送りいたします。

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